「一日一食」や「断食」は本当に健康にいいの?
📦 このコラムは旧 HARRO LIFE(https://harrojp.com/life/column/120825)からの移行アーカイブです。
第2回は、「一日一食」や「断食」は本当に健康にいいの?というテーマについてお話しします。
日本人の体質と食文化から考える
最近、「一日一食」や「断食」が健康法やダイエット法として注目されています。著名人の実践例やSNSの投稿で目にする機会も増え、「空腹こそ最強」といったキャッチーな言葉に心惹かれる方も多いのではないでしょうか。
ですが、結論から言うと――
この食事スタイルは“日本人には合わない”可能性が高いです。
食べ方は「民族の体質」で変わる
私たちの体質は、長い歴史の中で形成された「生活様式」や「食文化」に深く根ざしています。世界にはさまざまな民族があり、それぞれの土地・気候・食料事情に応じて最適な体の使い方が育まれてきました。
たとえば、「一日一食」や「断食」が得意な体質は、もともと”狩猟民族”として生きてきた人々に多く見られます。これは欧米人やアフリカ系の方々に多い傾向で、
・空腹時でも安定して血糖値を保てる
・糖がなくても、脂肪を効率よく燃やせる(糖新生が得意)
糖新生とは
※体の中で「糖(=ブドウ糖)」を作り出すしくみのこと。
たとえば、長時間ごはんを食べなかったり、糖質をとらなかったとき、血糖(血液中の糖)が足りなくなりますよね。そんなとき、筋肉や脂肪、肝臓にある物質を材料にして、糖を自分で作り出すのが「糖新生」です。
・皮下脂肪がつきやすいが、内臓脂肪は少ない
という特性を持っています。こうした体質の人は、糖質制限や断食で比較的健康的に脂肪を落とすことができます。
日本人は「農耕民族」型の体質
一方、日本人は長い歴史の中で”農耕を中心とした食文化”のもと進化してきました。米、芋、果物など糖質が豊富な食材を日常的に食べることで、糖をエネルギー源とする代謝に体が適応してきました。
この体質には以下のような特徴があります。
・空腹に弱く、断食や糖質制限で血糖が乱れやすい
・糖新生が苦手で、糖が不足するとすぐに低血糖になりやすい
・ストレスや疲労、イライラ、集中力低下といった不調が出やすい
・皮下脂肪よりも内臓脂肪や肝脂肪がつきやすく、生活習慣病リスクが高い
さらに、無理に断食や糖質制限をすると、脂肪ではなく”筋肉や内臓を分解してしまう”ことも。これは健康的なダイエットとは言えません。
健康のカギは「歴史」と「体質」を知る
今の時代、ネットやメディアには数えきれないほどの健康情報が溢れています。しかし、流行に飛びつく前に考えたいのは、「自分の体に本当に合っているか?」という視点です。
同じ健康法でも、体質や民族によって合う・合わないがあります。
自分のルーツや食文化、体質を見直すことこそが、健康と向き合う第一歩です。
日本人におすすめの「無理のない健康的な食事法」
日本人の体質を考慮した上で、以下のポイントを意識した食生活が健康の鍵になります。
【血糖値を安定させることが基本!】
・甘いものや油っこい食事を控える
・過度な糖質制限はしない(米はしっかり食べてOK! 控えるならパンやパスタ、粉ものを)
・運動後には糖質+タンパク質をしっかり摂る(よく噛むことが大切。サプリや粉末ドリンクに頼らない)
【体型別アプローチ】
“食べすぎで太っている人”
→ 断食ではなく「食の質と量の見直し」を
“痩せすぎの人”
→ 少量でいいから、1日の「米を食べる回数」を増やす(理想は5〜7食)
そしてどちらも、消化吸収を助け”血糖値の急上昇”を防ぐためにも「よく噛む」ことを意識するのが重要です。
まとめ
「一日一食」や「断食」など、話題の健康法がすべての人にとって良いとは限りません。特に、日本人のように農耕民族的な体質を持つ人にとっては、むしろ健康を損なうリスクもあります。
“流行ではなく、自分の体質に合った食べ方を見つけること”、
それが、無理なく続けられる健康習慣への近道です。





