ヨーロッパ在住の日本人が見直すべき「食の選択」─体調不良の背後にある“食のミスマッチ”
📦 このコラムは旧 HARRO LIFE(https://harrojp.com/life/column/160725)からの移行アーカイブです。
私たちの身体と心は、「日々の食事」によってつくられています。
肩こり、頭痛、関節痛、花粉症、慢性疲労、不眠、気分の落ち込み、これらの症状は一見、生活習慣やストレス、加齢などが原因と思われがちですが、実は「食生活との関連性」が見直されています。
日本人には「日本食」がフィットしやすい理由
遺伝的背景や長年の食文化の積み重ねにより、民族ごとに「消化・吸収しやすい食材」や「体に馴染む栄養構成」が異なると考えられています。
たとえば日本人の多くは、海藻類を分解できる腸内細菌を持っており、これは長年にわたって海藻を摂取する文化があったことに由来すると言われています。また、日本では発酵食品(味噌、納豆、ぬか漬けなど)や魚介類、季節の野菜を中心とした「和食」が長らく続いてきました。
一方で戦後の急速な食の西洋化によって、小麦や乳製品、植物油、砂糖の摂取が大幅に増えました。これらはそれ自体が「悪い」というわけではありませんが、「摂取の仕方や頻度」「個人の体質」によっては、体調に影響を及ぼす可能性があることが報告されています。
合わない食材が不調と関係する可能性
日本人を含む一部の人々にとって体質的に合わない可能性が高い食材には以下のようなものがあります。
小麦:グルテンによって腸のバリア機能が低下し、炎症や自己免疫反応を誘発する可能性がある。
植物油(精製されたサラダ油、オリーブオイルなど):酸化しやすく、細胞や神経の炎症を促進させるとされる。
乳製品:日本人の多くは「乳糖不耐性」であるというデータがあります。腸に負担をかけ不調を引き起こす要因になることがある。
砂糖:腸内細菌のバランスを崩すことが示されており、慢性炎症や精神的な不安定さを招く。また、うつ病との関連を示唆する研究も存在します。
これらの食品を過剰に摂取することで、慢性的な炎症や免疫のアンバランスが起こり、結果的にアレルギー、自己免疫疾患、慢性疲労などにつながる可能性があるとする研究も増えています。
※食とがんリスクの関係について
国立がん研究センターやWHOによると、がんの原因の中で最も多いのは食生活で、全体の30〜40%を占めるとされています。
食事の質が健康に直結することは、今や世界的な共通認識です。
海外在住だからこそ見直したい「自分の体に合った食」
私自身は現在オランダに住んでいます。移住当初は、パンやパスタ、オリーブオイルやバターを使った料理、乳製品や砂糖をふんだんに使ったスイーツなどを日常的に食べていました。
その頃は、毎年春先になるとひどい花粉症に悩まされていました。しかし、このことを知り、小麦・植物油・乳製品・砂糖といった欧米型の食材を一切カットし、日本の伝統的な食事(米、味噌汁、焼き魚、鍋、煮物など)に切り替えたところ、今年の春には花粉症の症状が著しく軽減されました。
さらに驚いたのは、腸内環境の劇的な改善。便の臭いが無くなったことからも、腸の炎症が治まり、免疫が正常化しているのを実感しました。実験的に一日だけ欧米型の食事に戻してみると、途端に花粉症の症状が再発。食事の影響力の大きさに驚かされたと共に、自分にとって何が「合う食事」なのかを実感しました。
もちろん、これは個人の体験であり、すべての人に当てはまるとは限りませんが、「試してみる価値」は十分にあると感じています。
まずは2〜3週間、“食の実験”をしてみる
「食事の影響は思ったよりも早く現れる」こともあるようで、ほんの2〜3週間で効果を感じる人が多いのも事実です。
便利で手軽な現代の食事は美味しく魅力的ですが、自分の体質と合わないまま続けていると、知らず知らずのうちに体に負担をかけているかもしれません。
健康を取り戻すカギは、「自分のルーツに合った食」を見直すこと。
ヨーロッパ在住の日本人におすすめしたい「現実的な和食回帰」
・主食は米・玄米を中心に
・海藻類、発酵食品(味噌・納豆・ぬか漬け)を少量でも日常的に
・季節の野菜・魚介・肉はシンプルに調理して
・小麦・植物油・乳製品・砂糖は控えめに(たまにの楽しみ程度に)
「体の声」を聞く食習慣を
「どこに住んでいても、自分の体に合う食事を選ぶ」これは医者や薬に頼らず健康を守る、もっとも身近で強力な手段です。
体調が揺らいでいると感じたら、まずは“食を見直す”ことから始めてみませんか?





