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オランダ銀行業界、MetaやTikTokに詐欺対策強化を要求――被害額は2,600万ユーロに拡大
経済 読了 2分

オランダ銀行業界、MetaやTikTokに詐欺対策強化を要求――被害額は2,600万ユーロに拡大

ソーシャルメディア起点の詐欺が約7割、銀行は「このままでは負け戦」と警告

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オランダ銀行協会(NVB)は4月、昨年1年間にバンクヘルプデスク詐欺によって失われた金額が約2,600万ユーロに上ったと発表した。前年比で約20%の増加であり、NVBはその主因としてソーシャルメディアの悪用を挙げ、MetaやTikTok、Googleに対し、より積極的な詐欺対策を取るよう強く求めた。NVB会長のメディ・ファン・デル・ラーン氏は「ビッグテックやソーシャルメディア企業の協力なしに、オンライン詐欺との戦いはこのまま負け戦になってしまう」と語っている。

「銀行員を装う」詐欺の手口と被害の実態

バンクヘルプデスク詐欺とは、銀行員を装った人物が電話をかけ、「口座が危険にさらされている」などと不安を煽り、被害者に「安全な口座」への送金を促す手口だ。被害額は2022年のピーク時に5,000万ユーロを超えていたが、振込の日次上限引き下げや本人確認の強化によって約半減してきた経緯がある。昨年は被害者数が前年比14%減の約5,900人にとどまっており、銀行側の対策と利用者の意識向上が一定の効果を発揮していることがうかがえる。一方でフィッシング被害は約180万ユーロ増加し、約260万ユーロに達しており、手口の多様化も懸念される。

プラットフォーム企業への不満と「データ漏洩」との連鎖

NVBのセキュリティ責任者マルコ・ドーランド氏は経済紙フィナンシエーレ・ダーフブラッドに対し、MetaやTikTokといったプラットフォームが、警察や通信事業者、消費者団体が参加する詐欺対策作業部会に「欠席している」と批判した。英国の金融規制当局がMetaのプラットフォーム(Facebook・Instagram・WhatsApp)上で1週間に1,000件超の違法広告が流通していたと指摘したことも引き合いに出され、オランダ警察もネット通販詐欺報告の約半数がMetaプラットフォームを起点としていると述べている。

これに対しMetaは、2025年に1億5,900万件の詐欺広告と1,090万件の犯罪アカウントを削除したと反論。司法省や銀行、消費者相談窓口「フラウデヘルプデスク」と共同で参加する全国作業部会の存在も強調した。TikTokは違法コンテンツの97.7%をユーザー通報前に削除していると説明。Googleはコメントを出していない。

詐欺の「原材料」として問題視されるのが、最近相次ぐ大規模な個人情報漏洩だ。620万人の顧客を持つ通信大手オディドや、コスメチェーンのリチュアルズで起きたデータ流出では、氏名・電話番号・銀行口座番号が外部に流れた可能性があり、こうした情報がソーシャルメディア上での詐欺に利用されていると銀行側はみている。

在蘭日本人にとっての影響

詐欺対策に要するコストは最終的に利用者が負担する形になっており、オランダの銀行口座手数料は昨年だけで10%以上値上がりした。在蘭日本人を含む利用者にとっては、日常的な銀行コストの上昇として直接影響が及んでいる。また、銀行や公的機関を名乗る不審な連絡には、言語の壁もあって気づきにくいケースも考えられる。NVBは、不審な電話やメッセージを受けた際は一度電話を切り、公式番号に掛け直すよう呼びかけている。プラットフォーム企業、銀行、規制当局の三者が足並みをそろえられるかどうかが、今後の被害抑制の鍵となりそうだ。

情報源: DutchNews

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