オランダの最低賃金、5年で33%上昇――EU最高水準に迫る
全雇用の6.7%が最低賃金水準、CAO賃金の伸びも上回る
オランダで最低賃金が急ピッチで引き上げられている。2025年時点で最低賃金水準で働く雇用は約61万件に上り、全雇用の6.7%を占める。この割合は2024年からわずかに低下したものの、依然として60万人超の労働者が法定最低賃金に依存して生計を立てている現状は変わらない。オランダ中央統計局(CBS)などのデータによれば、この5年間で最低賃金は33%という大幅な上昇を記録し、EU加盟国の中でほぼ最高水準に到達した。
CAO賃金を上回る異例の伸び
特筆すべきは、最低賃金の上昇率が労働協約(CAO)に基づく平均賃金の伸びを上回っているという点だ。CAO賃金はオランダの多くの労働者に適用される産業別・企業別の団体交渉による賃金であり、一般的に賃金水準の指標として参照される。通常、最低賃金はCAO賃金に追随する形で推移することが多いが、近年の政策的な底上げにより、この関係が逆転した格好となっている。背景には、物価上昇や生活コストの増大に対応するため、政府が低所得層の購買力を支えようとした意図がある。
在蘭日本人と企業への影響
この賃金上昇はオランダで働く人々や企業にとって直接的な影響を持つ。パートタイムや非熟練職に就く在蘭日本人にとっては、法定最低賃金の水準が実質的な収入の下限となるため、生活環境の改善につながる面もある。一方、現地でスタッフを雇用する日系企業や飲食・小売業にとっては、人件費の増加が経営上の課題となりうる。EU内での最低賃金競争が続く中、オランダの賃金水準の高さは優秀な労働力を引き付ける魅力にもなる反面、コスト競争力の観点では慎重な対応が求められる局面でもある。最低賃金就労者の割合がわずかに減少したことは、一部の雇用がより高い賃金帯へ移行した可能性も示唆しており、今後の労働市場の動向が注目される。
情報源: NU.nl
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