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電力網の容量不足が住宅建設を直撃——「スマート建築」で活路を探る
社会 読了 2分

電力網の容量不足が住宅建設を直撃——「スマート建築」で活路を探る

アイントホーフェンでASML従業員向け3万戸計画に暗雲、1戸あたり最大1.5万ユーロの追加コストも

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オランダ全土で電力網の過負荷(ネットコンゲスティ)が深刻化するなか、住宅建設への影響がいよいよ表面化してきた。ユトレヒト州に続き、北ブラバント州でも2025年7月1日から新規および増強の電力接続が制限される。最大の問題地域とされるのがアイントホーフェン周辺だ。同州は2030年までに約15万7000戸の新規住宅建設を目標に掲げており、そのうち3万戸をアイントホーフェン市が担う計画だが、電力網の壁がその実現を阻もうとしている。

ASML頼みの住宅需要、網の目に絡まる

アイントホーフェンの住宅需要を強力に後押しするのが、半導体製造装置メーカーASMLの存在だ。同社は急拡大する従業員の住居確保に向けて市の住宅建設を財政面で支援しており、地域経済の中心的役割を担う。しかし「エネルギー網がピーク時に過負荷になっている。同時にあまりにも多くのことをやろうとしており、そこに新たな住宅を加えることはできない」と、ABNアムロの建設セクターバンカー、レオンティエン・デ・ワール氏は語る。従来は住宅建設の最後の段階で電力接続を申請するのが慣例だったが、今やその順序が逆転し、まず「その場所で何が可能か」を確認することが求められている。

「ネット配慮型建築」が切り拓く可能性とコスト

こうした状況に対し、ゼネコンのHeijmansはアイントホーフェンとアイッセルステインで「ネット配慮型建築(netbewust bouwen)」を実践している。地中熱ヒートポンプで暖冷房をまかない、屋根には太陽光パネルを設置、さらに蓄電池を組み合わせることでピーク時の電力負荷を約3分の1削減できるという。同社不動産部門ディレクターのロンネケ・ゾイドウェイク氏は「エネルギーを局所で生成することで電力網への負担を考慮している。これによって建設を続けられ、自治体からの許可も得やすくなる」と説明する。

ただし、この工法には相応のコストが伴う。プロジェクト開発業者協会NepromのファヒドMINHAS会長は「集合的な地中熱システムや近隣蓄電池、グループ契約による局所的な電力網の整備が必要で、1戸あたり1万〜1万5000ユーロの価格上昇につながる」と指摘する。建設コストや人件費の高騰、長引く異議申し立て手続きですでに圧迫されている建設業界にとって、この追加負担は決して軽くない。

「塗り絵全体」を完成させなければ根本解決はない

デ・ワール氏はネット配慮型建築を「解決策の一部」と位置づけつつも、「毎年の新築は住宅ストック全体の約1%に過ぎない。既存住宅の脱炭素化も進めなければならず、そこでも同様のネットコンゲスティに直面する」と述べ、問題の広がりを「総合的な塗り絵(totaalkleurplaat)」と表現した。MINHAS氏も「電気がコンセントから当然のように使えるという意識を変える必要がある。だが最優先課題はとにかく電力網を拡張することだ」と強調する。

在蘭日本人にとっても、住宅探しや将来的な住居の光熱費、さらにはアイントホーフェン周辺への転居・購入を検討する場合には、電力接続の可否が実質的な問題となりうる。スマート建築が普及するにつれ、新築物件の価格帯や仕様にも変化が生じる可能性があり、今後の住宅市場の動向を注視しておきたい。

情報源: NOS Economie

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