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王の日のアムステルダム、「何でもあり」イメージ払拭へ新規制
社会 読了 2分

王の日のアムステルダム、「何でもあり」イメージ払拭へ新規制

公然わいせつ暴行は2年で倍増、市は混雑・治安管理の抜本見直しへ

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アムステルダムの王の日(Koningsdag)は、オランダ最大の祝祭として毎年数十万人の人々を中心部に引き寄せてきた。しかしここ数年、超過密状態のカイゼルスフラハトやヨルダーン地区では違法薬物・アルコールの過剰摂取、救急車の出動ラッシュ、そして性暴力事件の増加が深刻な問題となっている。フェムケ・ハルセマ市長は今年、こうした「何でもあり」のイメージを断ち切るための新規制を打ち出した。

相次ぐ事件が後押しした規制強化

問題の深刻さを如実に示すのが暴力事件の増加だ。警察によれば、公然わいせつ暴行の件数は2023年の28件から2025年には57件へとわずか2年で倍増した。決定的な転換点となったのは昨年の王の日で、カイゼルスフラハトの運河沿いでアイルランド人女性が白昼に性的暴行を受け、その映像がSNSで拡散されたことだ。この事件は国内外で広く報道され、祝祭の安全管理に対する社会的批判が高まった。救急隊への通報が殺到し、緊急通報が待機状態に陥ったほか、特に未成年者への救護が急増するなど、医療体制にも深刻な過負荷がかかったことが明らかになっている。

新規制の骨子と現場の声

市が今年導入する主な規制は以下のとおりだ。まず運河を行き交うボートへの乗船者数を船頭1名を含む最大12名に制限し、違反した個人には80ユーロ、業者には800ユーロの罰金を科す。さらに違法アルコール販売の取り締まりを強化し、自転車で巡回する救急救護士(EHBO)を増員することで救急車への負担軽減を図る。クラウドマネジメント担当のミック・ウェルケンダム氏は「今年は月曜開催のため、翌日に仕事がある人が多く、アルコール消費量が土曜開催の年より低くなることを期待している」と述べる。

ヨルダーン地区の人気カフェ「デ・ブラフェンデ・フィス」の共同オーナー、ヨルト・フォス氏は規制の方向性は支持しながらも、「現実には取り締まりが難しい。ウェスタースターラートは数年前から側道のみ退出可能にしているが、抜け道から人が戻ってきてしまう。時間が経つにつれて誰もルールを気にしなくなる」と現場の限界を指摘する。一方、同じヨルダーン地区のカフェ「R. デ・ローザ」はこの王の日も閉店を選択した。オーナーのフロリス・ブルヘルス氏は「路上での無秩序な行為、夜間の殺伐とした雰囲気、それらが近隣住民にかける負担は、王の日の楽しさを上回る」と理由を語る。519基のポータブルトイレ(昨年比わずか6基増)に対し何十万人もの来訪者が集中する現状を「イベント規模と設備が全く釣り合っていない」と批判する声も上がっている。

来年以降を見据えた抜本的な見直し

市は短期的な規制にとどまらず、来年以降の構造改革も視野に入れている。ノールデルマルクトやウェスタースターラートを正式なイベント会場として指定し、年次プライド・パレードで実施しているような組織的な人流管理の仕組みを王の日にも適用する計画だ。これにより、会場外での無許可営業の取り締まりや警備員の配置が法的に可能になり、飲食店経営者にとっても営業環境の改善が期待される。

在蘭日本人にとっても、王の日のアムステルダム中心部は毎年の風物詩だが、特に運河沿いや混雑エリアでの行動には例年以上の注意が求められる。市が強調するのは祝祭の廃止ではなく「安全でアムステルダムらしい」祝祭の再建であり、規制の実効性が問われる今年の王の日は、長期的な変革への試金石となりそうだ。

情報源: NOS Algemeen

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