難民施設への集団襲撃、外部からの扇動者関与か――ルースドレヒト事件で34歳男逮捕
ヒルフェルスム近郊で続く抗議の波、地元首長が「よそ者の介入」に警告
オランダ中部ヒルフェルスム近郊の小さな湖畔の町、ルースドレヒト。ここで難民の緊急宿泊施設への転用が計画されていた旧市庁舎が、覆面をした約50人の集団に襲撃された事件で、警察はヘルダーラント州エルメロ在住の34歳の男を逮捕した。エルメロはルースドレヒトから約50キロ、車で1時間ほど離れた地点にある。この事実は、地元住民が以前から訴えていた「外部からの扇動者」という懸念を裏付ける形となった。
暴力に転じた抗議活動の実態
事件では、群衆が機動隊に向けて石や花火、液体の入ったボトルを投げつけた。さらに、火のついたトーチを警官隊に投げた男については、すでに有罪判決が下されている。一連の抗議活動はおよそ1週間にわたって続いており、当初は地域住民による反対運動として始まったとみられているが、次第に暴力的な様相を帯びていった。
司法大臣のダフィット・ファン・ウェール氏も事態の深刻さを認め、「デモが、悪意を持つグループや暴動を起こすことを目的としたグループを引き寄せる磁場になっている可能性を排除しない」と発言。外部からの過激派が抗議の場に乗り込んでいるという見方を、政府レベルでも否定しなかった。
市の計画は縮小しながらも継続
Wijdemeren市議会は抗議の激化を受け、施設に受け入れる予定の単身男性の亡命希望者の数を、当初の110人から70人に削減することを決めた。市議会は「地域の実情により適した規模」と説明している。施設の開設日も当初から2週間延期され、5月6日となった。
住民からは、計画が十分な事前協議なしに突然発表されたことへの批判の声も上がっている。それに対し地元首長のマルク・フェルヘイエン市長は、Ter Apelの過密状態にある難民受け入れセンターの負担を軽減するため計画は予定通り進めると明言した。「ルースドレヒトの住民とは、緊急宿泊をどう整備するかについて喜んで話し合う。しかし外部から来て、亡命議論を混乱の道具に使う人間は必要ない。そこが一線だ」とNOSの取材に語った。
在蘭社会に投げかける問い
今回の事件は、難民・亡命申請者の受け入れをめぐる地域社会の緊張が、外部の過激派に利用されるリスクを浮き彫りにした。オランダでは各自治体が国の要請を受けて避難民の受け入れ施設を設置するケースが増えているが、地元住民への説明や合意形成が後手に回ることで、反発が暴力へと変容する危険性がある。ルースドレヒトの一件は、政策の透明性とコミュニケーションのあり方について、オランダ社会全体に重い問いを突きつけている。
情報源: DutchNews



