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ウェールズ地方選挙、1922年以来続くLabour優位が100年超の時を経て終焉へ
政治・行政 読了 2分

ウェールズ地方選挙、1922年以来続くLabour優位が100年超の時を経て終焉へ

Reform UK台頭とNHS不満が英国二大政党制の終わりを告げる

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5月7日、英国各地で地方・地域議会選挙が行われる。ウェールズとスコットランドでは新たな地域議会の議席が争われ、イングランドでは自治体・地域レベルの選挙、ロンドンでは自治区議会選挙が実施される。今回の選挙で最も注目されるのがウェールズだ。各種世論調査は、1922年以来100年以上にわたり第1党の座を守ってきたLabourが今回初めてその地位を失う可能性が高いことを示している。

「彼らは私たちの国を台無しにしている」

ウェールズ南部の工業都市ニューポート。かつて炭鉱と製鉄所が並んだ丘陵地帯に位置するこの町では、中心部の店舗の半数が空き店舗のままだ。JDスポーツで働く22歳のジェイ・メイヒューは「保守党もLabourも、約束したことを何も実現しなかった。彼らの時代は終わった」と言い切る。次の選挙ではナイジェル・ファラージュ率いる右派ポピュリスト政党Reform UKに投票する意向だという。

近隣の町ブラックウッドでは、1989年に閉山した炭鉱の元労働者クリストファー・フィリップスが「LabourはこのNHSで私たちを台無しにした」と語る。ウェールズのNHS(国民保健サービス)は、医師の予約を取ることすらイングランド以上に困難な状態が続いており、Labourが掲げた待ち時間短縮の目標は達成できていない。サッチャー政権による炭鉱閉鎖を忘れず「保守党には絶対入れない」と言うフィリップスも、今回はReform UKを選ぶ可能性が高い。

比例代表化がLabourをさらに苦しめる

カーディフ大学のローラ・マカリスター教授(公共政策・行政)は、Labourがウェールズで二重の逆風にさらされていると指摘する。2024年の英国総選挙でウェールズのLabour党首は「ロンドンとカーディフの二つのLabour政権が連携すれば投資が加速する」と訴えたが、その約束は「壮大に失敗した」と同教授は言う。有権者は今、ロンドンのKeir Starmer政権とカーディフの地域政府、双方のLabourに不満を抱いている。

さらに選挙制度の変更もLabourに不利に働く。ウェールズ議会(Senedd)では選挙区が再編され、各選挙区で6議席を比例配分する新制度が導入された。事実上の当選ラインは得票率約15%と見られており、北西ウェールズなどLabourの支持が特に低い地域では、その足切りラインすら下回る可能性がある。皮肉なことに、この選挙制度の変更は2021年にLabour自身が賛成したものだ。マカリスター教授は「当時、Labourは自分たちが大政党でいられなくなるとは想定していなかった」と述べる。

断片化か、それとも分極化か

今回の選挙でReform UKの対抗軸に立つのが、左派民族主義政党Plaid Cymruだ。ニューブリッジ在住のリン・アッカーマン(62)は父親の代からPlaidの活動家で、今回は地元選挙区のリスト2位で出馬している。「以前は Labour の牙城だと分かっていたから、当選は望めなかった」と振り返る彼女も、今回は初当選の現実的な可能性を持つ。ウェールズ全土でこうした構図が広がることで、英国の政治地図は従来の二大政党制から多党分散型へと確実に変容しつつある。

オランダをはじめヨーロッパ全体でも同様の既成政党離れと右派ポピュリズムの台頭が観察されており、今回のウェールズの選挙結果は英国内にとどまらず、欧州の政治潮流を測る一つの指標となりそうだ。

情報源: NRC

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